「真一、なんか機嫌悪い?」

発したのは、輝くん。
さすがの輝くんも、真一くんの言動には、目をパチクリしている。


「別に。
じゃあ、俺ね。名前は、白城 真一。
白い城でしらき」

なんだろうーー、真一くんってこんな感じだったかな?

少しだけ、不機嫌な真一くん。

続く、自己紹介。

「あー、あたしは本郷ヒカリ。
ちなみに相沢類は、あたしの彼氏だからよろしくね!」



「チッ」


ヒカリちゃんが、そう自己紹介すればどこからか、聞こえる舌打ち。

私は周りを、見回した。

「あれって、アレだよな?」

「アレじゃねーかな」

輝くんと、仁くん。
ヒソヒソ、と話し声が聞こえる。

「何、話してるんですか?」
思わず、二人の間に入った。

「よお、想。

旅行楽しみだなっ」

なんだろう、話してくれないのかな?
思わず、上目遣いに見上げた。

「ーーっ、わかったよ、そんな目で見るなよ」

仁くんが、私の耳元で囁く。

くすぐったいなんて、感じる間もなく変わりに出たのは、驚愕な叫びだった。



「え!?しっ」

口にする前に、口を塞がれ困惑した。

だってだって、真一くんが
ヒカリちゃんを、好きーー?

嫉妬している、と言ったんだから。