同じ学校いるだけで、誰よりも一番近い位置にいる仁。
羨ましいぐらいなのにーー

「輝くんっ、私大丈夫だから。
なんもされてないからっ」

それは、そうだけど。
俺が行かなきゃ、どうなって居たか分からない。

「あ、大丈夫か想。
怪我はーー「触るなよっ!」

パシンッ。

俺は仁の手を払った。

「きゃっ!?」
わざとじゃなかった。

払った瞬間ーー傾く想の身体。

あ、と思ったのもつかの間。

ガシッーーーー

アッシュの髪が揺れた。