「おーい、輝っ。
想ちゃん大丈夫?」

聞いたことのある声に振り向いたら、、真一さん。


フェンスの下にいる。
さすがに登れないらしい。

「あー、大丈夫だ。
コイツの始末任せるわ!」

始末ーー。。
先輩の行く末を少しだけ見守った。

「大丈夫だよ、想ちゃん。
俺優しいから、、
行こうか君っ」

確かに優しい笑顔なんだけど、なんだか真一さんが怖い気がする。

ポケットに入っていた黒い何かが、、落ちた。

双眼鏡?


え、もしかしてーーさっきの光は。

「輝くんっ、もしかしてずっと見てた?」



輝くんは、図星なのかほのかに赤い頰。

「心配だったんだよ。
悪いかっ」


ぶっきらぼうだけど、優しくてーー。

「ありがとう、輝くんっ」



私は素直にお礼を言った。


ガサッーーーー。


「想っ、本郷から聞いて。
大丈夫か?」


焦ったように息を切らして来た仁くん。
だけど、その動きは止まった。


「何してたんだよ。
想ーー危なかったんだ。
お前彼氏だろうが、守れねーのかよ。
なあ、仁。






想っ、俺に託せよ」




輝くんっーー。

彼は私を見つめた。