「はいはい、そこまで。
早くバス来てるし、行くよ想っ!」

この場にそぐわない明るい声に、振り向いたらヒカリちゃん。

不良二人の間をすり抜けて、私の腕を掴んで歩くヒカリちゃんにーー感謝した。

ヒカリちゃんが、仁くんに目配せしたのに気づいたけど、それだけ。

あの、男達も居なくなっていた。


だけど気になる胸の内。

会話の中の、ユリさんに嫉妬した私がいた。




ユリさんは、仁くんにとって特別な人だった。

気になる。
だけど仁くんの横顔が、辛そうでーー何も言えなかった。