「リナちゃんーー」


来た。

「何ーー?」


私は素直じゃない。



横にいる佐伯が、私を見据えた。
いつだって、想には味方がいた。

「場所変えていい?」

想の気遣いかーー、ざわめく教室から抜け出して来たのは、裏校舎。



「ヒカリちゃんになんで、あんなことしたの?
ヒカリちゃんが、リナちゃんになんかしたの?」



したよ。。

「私から想を奪った!
許さないっ」


ずっと、友達だった。

私だけが、想の一番近くにいるモノだと。
だけど最近は、違った。

私の近くには、想はいない。
側には、本郷ヒカリがいた。

悔しいーー。

「私だけの想だったのにーーっ。
本郷ヒカリが、現れてからーーっ、アイツが居なくなればいいって思った」


誰にも、、渡さない想はーー私だけのモノ。


「なあ、想はモノじゃねーよ?
お前のモノじゃない。

むしろーー俺のだ」


は?いやいや、途中から訳分からなくなる。



「リナちゃんーー



私、ちゃんと心あるよ。



私は、、私が仲良くなりたいってーー思ってリナちゃんとも出会ったんだよっ」



私達が、出会ったあの日。







"同じクラスだよね、私、甘宮 想だよ。
よろしくね!"ーーーー


桜舞う季節。

ふんわりと、笑う想に出会った季節。






「ねえ、リナちゃん。

私は、ヒカリちゃんが、大好き。
だから、ヒカリちゃんにーーひどいことしないで」



痛む心。

私より、本郷ヒカリーー。

やっぱり、頷けない。


無理だよ、無理。


「私は、やっぱり本郷ヒカリが嫌い。
頷けない。
想は、私だけの想だもん!」


「リナちゃんーー!!」

イタクナイーー。
こんな場所にイタクナイ。

私は、校舎を走り抜けた。