「想、好きな人いるらしい。
つい、想にひどいことを言った。

斗真でもなきゃ、一体ーー誰なんだよ。

想の好きな奴ーー」


本当、本音だった。

本当、本心だった。





なのにーー



「はあ?







何、意味わかんないんだけどーーー」



斗真の微妙な反応ーー。


「いや、だから想の好きな人って誰なんだよ。
つい、想にひどいこと言った」


"だから、聞きたくないんだよ!"ーー




あそこまで、言う必要なかったのにーー。

「あほらし。

仁ーー想ちゃんに謝れ。

想ちゃんの好きな奴は、お前だよ」










はあ?









聞き間違い?
今、幻聴がーー「幻聴じゃないからーー」



思考を読まれてる!?


「マジでーーっ。
嘘だ」

そんな訳ない。
だってーーーー






*斗真side*


嘘じゃない。

退院して、リビングで寛いでいた時。
不意に言った。


「俺、想ちゃん好きだよ。
付き合って欲しい」


2人っきりなのをいいことに、した告白は。

結果、想ちゃんを傷つけた。

「ごめんなさい、好きな人がいるから」


ずっと今まで、想ちゃんに近づかない様にしてた。
つい最近まではーー。

そう、誰が好きかわかってしまった。