あの後、仁を引きずる様に想ちゃんのいる病院に来ていた。


「大丈夫か?
行かなくてよかったのか?」


仁が、言うことはヒカリのこと。

「いいんだよ、ヒカリとはもう何もーー」



友達にも、戻れない。
仲は、良かった。
"友達"としては良かったのに、"恋人"としてはダメだった。


「だけどーーお前、泣きそうだぞ」


ああ、わかってる。
何故だか、ヒカリの顔がチラついて消えない。

病室の前、、仁がノックを躊躇う。

「いいか?」

俺のタメかーー。

「ああ、入るよ」

緊迫したこの瞬間ーー
二回ノックして入る俺は、面食らう。


斗真がベッドに横たわる想に、覆い被さっていた。