その日は、誰よりも守りたかった妹の命日だった。 妹が先に旅立ってしまう原因をつくったのは、間違いなく自分も関わっていると理解しながら。 私は、彼に向かって手を伸ばす。 その手が真っ赤に染まったのは、私が中途半端で弱くて、信じる勇気が持てないからだろうか。