私は…その後すぐに、すん、と鼻を啜ってから、今私の事を想ってくれている人へと、通話した…。
その人は、私よりも2つ上で、とても優しい人だった。
だから、本当は傷付けたくなんてなかったのに。
あの頃の自分と同じ想いはさせたくなかったのに……。
「ごめんなさい…」
そう言うと、彼はスマホの向こうで小さく笑った。
「…悔しいけど、煌はずっとそいつのことを思ってたんだもんな。…本当は奪われたくなんかないけど。俺も大人だから。未練がましいのも嫌いだし。…いいよ。気にすんな。けど、もしもそいつに泣かされたりしたら、何時でも戻って来いよ。俺なら何時でもいいから」
と、そう言ってくれた。
顔が見えなかったから、確信はないけれど…。
彼の声が震えていた事には、今は気づかない事にしよう…。
きっとそれがお互いの為だから……。
それから、数年後。
彼は約束通り迎えに来てくれて、私達は永遠に結ばれた。
「おぉーい。煌!そんなに重い荷物持つなって!」
「これくらい平気だよ。泰己はほんとに過保護なんだから」
「いいんだよ。あーぁ、こんなに手が赤くなるほど荷物持って!駄目だろ!子供に悪い!」
「もー…信用ないなぁ…」
二人の熱を分かち合って、気持ちに気付いて、お互いに傷付いて……。
私達は、二人にとって大切な…一番近い鼓動の音を手に入れたんだ……。
Fin.
その人は、私よりも2つ上で、とても優しい人だった。
だから、本当は傷付けたくなんてなかったのに。
あの頃の自分と同じ想いはさせたくなかったのに……。
「ごめんなさい…」
そう言うと、彼はスマホの向こうで小さく笑った。
「…悔しいけど、煌はずっとそいつのことを思ってたんだもんな。…本当は奪われたくなんかないけど。俺も大人だから。未練がましいのも嫌いだし。…いいよ。気にすんな。けど、もしもそいつに泣かされたりしたら、何時でも戻って来いよ。俺なら何時でもいいから」
と、そう言ってくれた。
顔が見えなかったから、確信はないけれど…。
彼の声が震えていた事には、今は気づかない事にしよう…。
きっとそれがお互いの為だから……。
それから、数年後。
彼は約束通り迎えに来てくれて、私達は永遠に結ばれた。
「おぉーい。煌!そんなに重い荷物持つなって!」
「これくらい平気だよ。泰己はほんとに過保護なんだから」
「いいんだよ。あーぁ、こんなに手が赤くなるほど荷物持って!駄目だろ!子供に悪い!」
「もー…信用ないなぁ…」
二人の熱を分かち合って、気持ちに気付いて、お互いに傷付いて……。
私達は、二人にとって大切な…一番近い鼓動の音を手に入れたんだ……。
Fin.



