某配管工はある程度高いところから落ちても死なないタフな体と、キノコやらフラワーやらスターの力と、残機があるけど、アタシはこの身一つに1つの命しか持っていない。
あちゃー。アタシの人生、マジで終わったかもしれない……。
JKでありながら己の死期を悟ってしまったアタシは、最期の悪あがきにギュッと目を瞑る。
なんて事はない、自分が死ぬ瞬間を見たくなかったからだ。
…… ……… ………… ……………。
あれ? おかしい。
何かがおかしいぞ?
そろそろ、コンクリに激突するか下水に着水しても良いと思うんだけど。
このマンホール深すぎじゃね? 落ちた時の事考えてないでしょ。完全に設計ミスだわ。
それにしても、さっきから顔とか制服に当たる風圧がハンパないんだけど。
ビュウビュウ、ゴウゴウ、バサバサと、ちょっとどころではなく五月蠅い。
そうだなぁ、台風一過の強風を直に受けている感覚に近いかな。
「んん?」
首を傾げながらとりあえず両腕を伸ばしてみる。何の感触も無し。
上下にも動かしてみる。風圧のせいで動かしにくいが何もない。
何だ? どうなってるんだコレ?
「ちょっとこれ、なんぞ?」
思い切って、バッと開眼してみる。
ちょ、風圧! 目が痛い、痛い。ドライアイ必死だよ。
「……て、ちょっと待って! 何じゃこりゃぁあああッ!」
アタシはあらん限りの声で叫んだ。その声が尾を引くのが分かる。