君は開口一番、私に、友達になって、と言った

驚いた

ここに、私の噂を知らない人がいたことに

そして、こんな私に友達の申し出をしたことに

ただただ混乱した

そんなことを言われたのは、記憶にないくらいずっと前のこと

そして君は、そんな私を見てクスリと笑った

可愛い、と思った

女の子らしい仕草で、君は笑った

私は、その優しい笑顔に魅せられた




君は私を色んなところに連れ回した

私を振り回した

私に君の友達を紹介した

そのおかげで、私は学校生活が楽しくなったんだ

こんな気持ちは、もう忘れていた

私が疫病神だということも、忘れていた



合宿も、君と過ごした時間が楽しかった

君のおかげで、班の子とも仲良くなれた

中学の時に、全く楽しくなかった文化祭も、君となら楽しめた

プライベートで行った遊園地も、皆で笑いあった

私が家事で忙しいと聞けば、私の家に集まって手伝ったりもしてくれた

叔父はそんな私を見て、変わった、と言った

私は自分の変化に徐々に気づいていった

君がいたから

君があの日、私に話しかけてくれたから

君がいなかったら、私はまだ、殻の中に閉じこもったままだった