まだ壬生浪士組で、局長が近藤と芹沢だった頃。芹沢は酔っては暴れ、金を強奪したりと士道に背く事ばかりしていた。




土方と山南は、意見を合わせて〝暗殺〟を提案していたのだ。



今後の浪士組のためでもあった。




永倉と遥は、久々に会った同士たちと酒屋に向かった。



(袴だ!懐かしい……)




なんて、気付けば袴だったことに喜びながら……




「芹沢さん、もっと飲んで下さいよ」



酒屋で近藤と並び、一番偉い場所に座った芹沢に土方が酒をついだ。



「俺を酔わすつもりか土方」



芹沢は汚れた瞳で土方を見た。



「いえ、そんなつもりはないですよ」



土方もあくまでも強気だ




その二人の様子を藤堂と沖田の隣に座った遥が、身震いしながら見ていた。



「俺の刀はなぁ、酒が入れば入るほどよくなるんだ」



そして、じっと見ていた遥にニヤリと不気味に笑いかけた。



チラッと土方が遥を見てまた芹沢を見た。




遥は首をすくめてご飯をよそった。