時のなかの赤い糸



乱暴に遥は手を振り払うと動けることに気付いた。




このまま逃げ出そう。




そう立ち上がった時、男は軽々と遥を持ち上げて小十郎の方を向いた。




「よくやった。
こいつが未来から来たんだな?」


「はい」




小十郎はチラリと遥を見て、申し訳なさそうに男に視線を移した。




「離してよっ」



バタバタと暴れだす遥の頬っぺたを男はきっとつねった。



「痛っ!何すんのよ」




「離れて」と何度もみみもとで連呼する遥に、めんどくさいと言ったように耳線をすると、男は部屋を出ていった。




「誰あんた」



力には敵わないと観念した遥は睨み付けながら男に言うと、どういう具合か男は吹き出して笑った