溺愛総長様のお気に入り。



……っ。

からかわれただけだっ。


それが手に取るように分かった瞬間、かぁぁっと顔が熱くなる。



そうだよね。どこを探したって、数分前に会ったばかりの人とつき合う人がいるわけないもん。


不良さん達は、いつもこうやって手当たり次第女の子に声を掛けてるんだ。



あたしの思ってたヘンなこととは違ったけど、ヘンなことには変わりない。


やっぱり男の子に関わっていいことなんてひとつもないや。

あたしにとっては天敵なんだっ。



「まあいいや、今日のところは勘弁してあげる」



すると、そう言って腕を伸ばしてきた。