このカフェは、白百合の最大の魅力だったのになぁ。


2時間目と3時間目の間は休み時間が20分あるので、カフェはにぎわっていた。


この時間は、幸いにも男の子は少ない。



「今日から新作が出るんだよね~。苺のやつ」



うきうきしながら千春ちゃんが言う。


そういえば、少し前から新作のお知らせのポップが置いてあったっけ。


インスタ映えしそうな見た目にも可愛いドリンク。



「愛莉はどうする?」



あたしは苺が大好き。

苺好きには待ってました!とばかりの新作だけど。



「あたしは……今日はやめとく」



今、お財布の中身がピンチなんだよね。


しばらくは自販のジュースで我慢しよう。


とほほ……。



「わかった、じゃあ行ってくるね」



千春ちゃんは小走りで、数人並んでいるレジのカウンターへ向かった。