そこは、廊下の突き当りにある教材室。
いろんな備品が置かれている場所で、普段は人が立ち入らない場所。
こんなところで、なにが……?
ゆっくりドアを開けて中を覗きこむ。
「誰がいるんですかー……」
そっと声かけしながら足を踏み入れれば。
―――ガシッ!
とつぜん手が伸びてきて足首をつかまれた。
「ひゃああああああっ!」
その手を振り払い、部屋の隅までダッシュ。
出た出た出た~!お化け出た~!
たすけて~!
神様仏様女神様ぁぁぁぁ~!!
誰でもいいからその類いの人すべてに祈っていると。
「たすけて……ください……」
男の子の声で助けを求められたのは、あたしだった。



