鳳凰総長の彼女の座を狙う女は多く。


共学になったことで、言い寄ってくる女が今まで以上にも増えた。


そういうのは、面倒なだけ。


俺には話しかけないようメンバーを通して通達すると、あっさりと俺に言い寄る女はいなくなった。


俺はただ、ひとりだけを愛したい。


愛莉にだけ好かれればそれでいい。


そんな思いから自分の勝手で愛莉に言い寄り、有無を言わせずそばに置く。


これだけ多くの女が俺に色目を使ってくる中、どうして愛莉はそうじゃないんだ……うまくいかないことにいら立ちながらも、そんな彼女だからこそ惚れるのだろう。



愛莉がケガをしたと聞いたときは生きた心地がしなかった。


また、どこかの族に狙われたのかと。


俺と関わっていることで、狙われやすくなるのは百も承知だ。


それでも愛莉といるのをやめられないのは……本気で欲しいからだ。