溺愛総長様のお気に入り。



「きゃあっ……」



平均台の側面から滑るように落下したのだ。


そのままバランスを崩し、勢いよくマットの上に倒れこむ。



「二宮さんっ!?」

「愛莉ちゃん!?」



先生やクラスメイトがワッと駆けつけて、あたしはあっという間にかこまれた。


体を起こそうとしてみるけど、全身を強打したのか上がらない。


痛い。とにかく痛いよ。



「どいて!」



そのとき。低い声が聞こえ、輪を縫ってやってくる男の子の姿が見えた。


……煌くん……?



「愛莉!大丈夫か!?」



……なわけない。
煌くんは相変わらず体育の授業には出てないから。



「な、南里くん……」



同じ体育館で授業をしていた南里くんだった。