「ハクさんにそうしてるわけじゃないからまだいいんじゃないかな……」



好きな男の子に対してじゃなければ、そんなに目くじらを立てる様なことでもないと思うんだけど。



「いーや。目障り」



それでも千春ちゃんはバッサリ斬った。



「でも……色目ってわけでもないような……」



あたしからすると、色目使おうとしているんじゃなくて、お嬢様として育った結果のことで。


注目を浴びることが当たり前で、身の振り方も自然と身についてしまったのかも。


変にすましていれば、それはそれで文句を言われるんだと思う。



「はー。ほんと愛莉って……」


「なに?」


「なんでもない」



うっ……。


言う価値もないですか?



「そんなこと言ってると、そのうち煌さんにも同じことしだすよ?今は教室に来てないから知らないだけで、あのメンバー見たらあれどころじゃないんじゃない?」