溺愛総長様のお気に入り。



そう言うと顔を近づけて、唇と唇が今にも触れそうな距離に到達する。


───ドクンッ……!


今日こそほんとにキスされちゃう!?


それは……困る……っ。


逃げることもできず、でも抵抗もできず、ただぎゅっと目をつむって身を固くする──と。



「一瞬で、転入生のことなんて忘れただろ?」



耳元でささやかれる甘い声。



「そんなことより、もっと俺に興味持てよ」


「……」


「覚えといて。俺は、愛莉にしか興味ない」



ゆっくり目を開けると。


……ちゅっ……と、おでこに口づけられた。