心苦しい想いを抱えながら桜子ちゃんの元へ向かうと、
「あ……」
あたしに声を掛けたことは忘れてしまったのか、桜子ちゃんは自分の席でお弁当を広げていた。
周りには、デレデレした男の子たちがたくさん。
その中で、桜子ちゃんはニコニコ笑っていた。
これなら大丈夫だよね……?
あたしは安心してあやめへ向かった。
今日もソファで並んでお弁当。
煌くんは、コンビニで買ってきた親子丼を食べている。
煌くん、親子丼が好きみたい。3日に1回は食べてるから。
「今日、うちのクラスに転入生が来たんですよ」
あたしは早速今日のビッグニュースを伝えた。
早く話したくてうずうずしてたんだ。
なのに。
「それが?」
冷たい反応。



