溺愛総長様のお気に入り。



「煌さんの彼女さんの警護を頼まれるとか、めちゃくちゃ光栄です!頑張ります!」



彼女じゃ……ないけど。

そんなふたりの姿は素直にかわいいと思った。



「あなたたちにとって、煌さんってどんな存在なの?」



聞きたかったことを千春ちゃんが口にしてくれる。



「俺ら……親に見捨てられてて……。行き場のなかった俺たちに居場所を作ってくれたんです」


「煌さんは、俺たちの恩人なんです」



……え?


思いもかけなかった事情に、胸がズキンと痛んだ。



「ほとんどの人は俺らの区別もつかないけど、煌さんは間違えることなくちゃんと名前を呼んでくれるんです!」


「めちゃくちゃ憧れてます!」



彼らの事情は複雑そうで苦しいけど……。


そんな彼らにとって煌くんが憧れの存在であることは、なぜだかあたしが誇らしい気持ちになった。