これも煌くんのおかげ。
って、おかげ、なんて。結局いいことをしてもらったみたいになってるね。
あれ?
煌くんをほっとさせるために言ったのに、煌くんの顔は曇ったまま。
「別に、治んなくていいんだけど」
むしろ、そんなことを言う。
「え?」
言ってることが前と違うんじゃ……。
治してあげるって言ったのは煌くんだし、治らないと困るとも言ってた。
「もう俺は平気だろ?だったら他の奴は無理なままでいいから」
「あ……」
ポッと頬が熱くなる。
涼しい顔してるけど、すごく恥ずかしいこと言われてるよね?
「ひゅーひゅーひゅー」
なんて、ハクさんが冷やかしてくるから尚更。
「ま、毎日ここにいるんですか?」
「そうだな」
恥ずかしくて、誰にともなく問いかけた疑問を拾ってくれたのは翔和さん。



