わわっ、なんだかお姫様みたい。
って、かぼちゃの馬車じゃなくてバイクなのが残念だけど。
「怖くなかったの？」
駆け寄って、千春ちゃんの安否を尋ねる。
その顔は、あたしの不安をかき消すかのように笑顔だった。
「すっごく気持ちよかった！病みつきになりそう」
「そ、それは良かったね……」
反対にあたしは顔が引きつる。
さすが千春ちゃんだなぁ。
「いつでも乗っけてやるよ」
会話を聞いていたハクさんが親指を立てれば、千春ちゃんはきゃきゃっと喜んで頬を染める。
分かりやすいなぁ、千春ちゃん。
ハクさんは千春ちゃんのこと、どう思ってるんだろう……？
恋とか愛とか、そんなロマンチックなものとは無縁そうだし。
