「遅いと心配するだろ」
「ご、ごめんなさい」
この間のこともあるから、そうだよね。
「今度から翔和にでも迎えに───」
そこまで言いかけた煌くんの目の色が変わった。その直後、スッと細くなる。
……うっ……。
いつもと違うあたしに気付いたみたい。
体中に緊張が走る。
「どうしたの、それ」
低く冷たく投げられた声。
「なんでそんな格好してんの」
眉をひそめる煌くんには、すでにブラックオーラが纏われている。
さっきまでの子犬のような目は影も形もなく、心臓がひやっと冷たくなった。
やっぱり、ダメ……だったかな。
「あ、あの……これは……」
煌くんの前に立ったあたしは、短くなったスカートの前で両手を合わせ、身を縮めるようにうつむいた。
慣れないスカートの丈も居心地悪く、膝を前後させてもじもじしてしまう。



