千春ちゃんの言葉の中で、一番どきっとした。
煌くんのために、可愛く……?
そう考えたら、なんだかじわじわと身体が熱くなってきた。
「あれ?あれれれ?」
千春ちゃんがあたしの顔にグイグイ顔を近づけてくる。
な、なにっ……。
「ふふふっ、愛莉ってばわかりやすいね。そうだ!あたしにいい考えがある」
そう言うと、鞄のなかからポーチを取り出す千春ちゃん。
それをどばーっと机の上に広げれば、すべてメイク道具。
「千春ちゃん、いつもこれ持ち歩いてるの?」
その種類にびっくりだ。
「うん、そうだよー」
「女子力すごいなぁ~」
「愛莉がなさすぎるのー」
ううっ。
はい、そうです。
「愛莉、ジッとしててね」
どうやらあたし、今からメイクされるみたいだけど……。
メイクなんて初めてだからドキドキするよ。



