あー、びっくりしたぁ。
彼がどう捉えたかわかんないけど……いや、たぶん、キライって伝わっちゃったよね。
でも、これだけ女の子からキャーキャー言われてるんだから、あたしひとりに嫌われても痛くもかゆくもないんだろうな。
「千春ちゃんありがとね」
彼は、投げるようにウインクをすると去っていった。
わぁっ……!
いまどき、ウインクなんてする男の子がいるんだ……。
そして、また彼の周りには金魚のフンみたいに女の子がまとわりつく。
あの子もその子も。ついこの間までは大人しくまじめだったのに。
男の子っていう生き物は、こうも女の子を変えちゃうんだ……。



