溺愛総長様のお気に入り。

あたしはクスリ、と笑って。



「食べたいなら……どうぞ」



お弁当箱を差し出してみると、そうじゃないとあごを使って催促してくる。


あくまでも、あたしに食べさせろって話みたい。


……めちゃくちゃ恥ずかしいな。


だって、食べさせてあげるなんて、カップルのすることみたいだから。


内心ドキドキしながら卵焼きを箸でつかんでその口へゆっくり入れる。


すると煌くんは、満足したように口を閉じてもぐもぐと噛みしめた。


どう、かな……。


自分で作ったものを男の子に食べてもらうなんて初めての経験で緊張する。