レンくん?いつの間に名前呼び!?
う……無理。
あたしは顔をそむける。
「はい。これでいいかな?」
「千春ちゃんサンキュ~」
ふたりは仲良さげに会話を弾ませている。
もう、なんでここに来るかなぁ。
千春ちゃんじゃなくて他の女の子に借りればいいのに。
早く行ってくれないかなぁなんて、背中を見つめているのが悪かった。
振り向きざまに、彼とばちっと目が合ってしまったのだ。
わわわっ!
ビクッとして肩が上がったまま硬直していると、彼があたしに向かって口を開く。
「あのさ、前から思ってたんだけど―――」
な、なんでしょう……?



