それにしても。
「あの……どうしてあたしが資料室にいるってわかったんですか……」
紙きれ一枚で呼び出されたあたしのことを、どうやって見つけてくれたんだろう。
問いかけると、煌くんはグッと眉を寄せた。
「朝、玄関で愛莉が不審な行動とってたって翔和から聞いたんだ」
「不審な……?翔和さんが……?」
なにかあったっけ?
すぐにピンとこないでいると、煌くんは話してくれた。
今朝、靴箱であたしの様子に何かを察知した翔和さんは、それを煌くんへ告げ、一日ずっと極秘で捜査していたんだとか。
怪しい人物を特定し、ようやく突き止められたのが、実際に彼らが動いてからで、煌くんが飛び込んできた───ということみたい。
「翔和の観察力は半端ないんだ。アイツの目だけはごまかせない。鳳凰の中でも参謀的役割を担ってるしな」



