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ふかふかのソファに優しく下ろされる体。
その前にしゃがみ、あたしの手を握ってくれる煌くん。
あたしはまだ体の緊張が解けない。
手のひらは冷たくて、小刻みに震えている。
だって、ほんとに怖かったから。
「ちょっと待ってて」
煌くんがそばを離れる。
……行かないで……
思わず心の中で言ってしまった。
それだけで、なんだか心細くて。
あたし、どうしたんだろう……。
しばらくするといい香りが漂ってきて、カップを手に煌くんが目の前に戻ってきた。
「ミルクティー淹れた。これ飲んで落ち着こう」
ミルクティー……あたし大好きなんだ。
「ゆっくりでいい。起きれるか?」
軽くうなずいて、カップを受け取る。
「熱いから気を付けて」



