溺愛総長様のお気に入り。



その鋭い声は……煌くん……!!!



「……っ!」



男なんてみんな怖くてたまらないのに、なぜか煌くんの姿を目にした瞬間、安堵でいっぱいになる。


胸の奥がきゅううと痛くなって、今までとは違う種類の涙が溢れてきた。


助かった……。



「なめたことしてんじゃねえぞっ、ああっ!?!?」



煌くんは、片っ端から男たちの胸倉をつかみ殴っていく。



「きゃっ……!」



殴る音に、男たちが呻く声。


思わず顔を背けてぎゅっと目を閉じていると。


その数秒後。



「愛莉っ、愛莉っ……!」



肩に手を乗せられてビクンッと大きく体が跳ねた。



「大丈夫かっ!?」



煌くんだとわかり、恐る恐る目を開ける。


周りを見渡すと……男たちは全員倒れていた。