「愛莉大丈夫~?」


「だ、駄目かも……」



千春ちゃんにもたれかかるようにして更衣室へ向かい、何とか着替えを終えて教室に戻る。


その途中、二人組の男の子とすれ違って。



「井上~、体育サボるなんて聞いてねーぞー」



そんな声が耳に届いた。


ん?井上くん?


もしかして、ペアになる予定だった井上くん?


思わず目で追ってしまうと、井上くんと呼ばれた人はまさに黒羽の男の子って感じの、髪を赤く染めたちょっと悪そうな人。


この人とペアやってたら、怖かったかも。



「サボりっつうか、煌さんから仕事を言い渡されてさ」


「え、マジで?」