顔を洗って髪をとかして。


そろりとリビングへ入ると。



「愛莉、おはよ」



ソファに座りながら悠長にコーヒーをすする煌くんの姿があった。


わっ!ほんとにいる。


いると心構えは出来ていても、目にした時の衝撃はまた半端ない。



「なにもお構いできなくてすみませんね~」


「とんでもないです」



いつもはしていないネクタイがきっちり絞められていて、いつもは緩く着こなしている制服をカッチリ着ている姿になぜかドキッとした。


とてもじゃないけど、暴走族の総長だなんてお母さんは夢にも思ってないだろう。