「俺のこと知らなかったとか、傷ついた」
き、傷ついた?
暴走族の総長ともあろう人が、あたしごときに名前を知られてなくて傷つくの?
こんなにメンタル弱くて大丈夫なの?
「でもいいよ。これから俺のことを知ってくれたら」
そう言って、グッと顔を寄せてきた。
……!
鼻と鼻が今にもぶつかりそうな距離に息が止まりそうになった。
「あ、あああ……あの……」
隣に座ってることだけでも精一杯なのに、もう余裕がなくて体が硬直。
金魚みたいに、口をパクパクさせたあたしに。
「そのうち、誰よりも俺のこと一番知るようになるから」
不敵な笑みを見せる。



