「結婚したらね。 風邪をひいても、妊娠したのかと言われるのよ、芽以ちゃん」 実家に行くと、水澄《みすみ》が素敵な笑顔で、そう言ってきた。 なにかいろいろ思うところありそうな笑顔だ、と芽以は思う。 外から、近所の人と話している母親の笑い声が聞こえてくる。 うーむ。 実家のお母さんの話かもしれないが、うちの親もなにか言ってそうだな、とその大きな笑い声を聞きながら思った。 すみません、水澄さん……と思いながら、芽以は実家を後にした。