「ごめん、俺行かないと」
「待って! 行かないで!」
……私はものすごい違和感を感じた。
え、悠真くんの声が……今……。
戸惑いが強いけど、今は悠真くんから離れたらダメだと身体が叫んでいた。
「ダメ、悠真くん! こっちに来て!」
「日和、ごめんな」
背を向けて去って行ったその声はやけに痛切に感じた。
*
*
つくづく思う。
嫌な予感って当たるものだ、と。
やはり幸せなんて永遠じゃない、と。
「……はっ、はぁ、はぁ」
目が覚めて、私は夢だと気づく。
新学期早々、最悪な夢だった。
いや、最悪とは言えなかった。
「ありえない……」
自分でそう呟いたのが分からないくらい、戸惑っていた。