「お母さん。私、学校休む。どうしてもやらなきゃいけないことがあるから」


「えっ⁉︎ 梨沙、大丈夫……」


驚いた様子で私を見たお母さんが言葉を言いきる前に、ひとりの男性がこちらにやってきた。


「お父さん……⁉︎」


「あれ? 梨沙、今日は学校に行くんじゃないのか?」


なんと、お父さんが声をかけてきたのだ。


お父さんは普段、遠くの街で朝早くから夜遅くまで仕事をしているため、顔を合わせることはほとんどなかった。


なんでお父さんがいるの?


まばたきをしはじめる私をスルーして、お母さんが私のところまでやってきた。