エヴィエニスは眉毛を八の字にして「うーむ、うーむ」と悩んでいる。
 悩み方がショッピング中の女子みたいで、シュールな笑いで私の腹筋が刺激されている。
 早くしないとキッチンタイマーが鳴ってしまうんですが……。

「早く選ばないと、麺が伸びちゃいますよ?」

「伸びる!? メンが伸びるとな? ヒナタ、そのメンとはなんだ? 生き物なのか?」

「いいから、まずは選んでくださいよ。そしたら説明してあげますから」

「う、うむ!」

 ああ……このエヴィエニスがムキムキのイケメンじゃなくて、褐色肌で角と尻尾のオプション特典付きのショタだったら、メチャクチャ可愛かっただろうなぁ。
 間違いなく、頬擦りして、ペロペロ舐め回してた。
 お巡りさん呼ばれるの覚悟で、「もう、ショタコンでいいや」って呟きながら、親指立てて性癖を投げ出したよ。


 暗黒龍の苦渋の決断。選ばれたのは味噌味でした。
 ペリリッとフタを剥がすと、エヴィエニスも見よう見まねでフタを剥がす。

「これは、どうやって食べるのだ?」