荷物をまとめて、死んだ魚の目でPCや書類に向かう同僚達を横目に退社する。
 すまんな、皆。強く、生きてくれ! 
 生きて、私の本日のノルマを上手く分配してくれ。
 君達の尊い犠牲が、私の今後の運命を大きく左右しているんだ。
 後ろ髪を引かれ過ぎて、禿げそうになりながらも会社を出た。

「さて。私には、帰宅前にやらねばならないことがある」

 そう呟いた私は、最寄り駅とは反対方向へ足を向けた。
 向かう先は――。