実家???
勇さんの家族に会うわけ?
事前に言ってよ!
こんな超普段着!
化粧だって適当!
それに手土産ないし!!!


後 何を発したのか分かんないくらい
勇さんに言い寄った。


「まーまー」


「まーまーじゃないよー」


「はいはい
行くよ」


不機嫌なまま私は飛行機に
乗り込んだのだった。


無口な私に
「あれ?飛行機怖い?
急に大人しくなったね」
とわざと言う。


「うるさい!」


「そう怒んなって」


「心構えってものが要るの!
早く言ってよね」


「ごめんごめんごめんなさい」


悪いと認めてないのに
口だけ謝る。


「もう・・・いい
怒るのやめた!」


私の言い草に勇さんは笑っていた。


2時間弱で熊本に着くと
迎えの車が来ていた。


「親が来てるから」


「え!!!また!!!
早く言ってよね!
心構えが要る!って
言ったでしょ」


またまた怒る私を
笑ってみてるだけ。


「勇吾おかえり」
運転席の窓を下ろして顔を出し
お母さんが言った。


「ただいま」


「この人のこと?
会わせたいって言うのは」


「そうそう」


「初めまして
大野美結と申します」
深々と頭を下げた。


「初めまして
まぁ 立ち話しててもあれだから
車に乗って」


チン。。。。。


後部座席に2人で乗り込んだ。


心臓がバクバクいっていて
爆発しそうだ。


その様子を見て勇さんは
私の手をギュッと握ったのだった。