次に出てきた言葉が
「どうして?」って。


「はじめまして木山勇吾と申します
娘さんとお付き合いさせてもらってます」
丁寧に頭を下げる勇さん。


「嘘でしょ?」
え? どうして?の次が嘘でしょ?って。


「母さん!」


「母さん!じゃないわよ
こんな有名な人と
本当にお付き合いしてるの?
これってテレビ番組のモリタニングとか?」


母はテレビ番組で
娘の彼氏が有名人だったら
母はどうする?的なものだと
勘違いしているようだ。


勇さんは母の言葉に
大笑い。


「親子似てますね
美結の天然のところは
お母さん譲りかな?」


「あらっ 娘と一緒にしないで
で?どこにカメラがあるの?」


まだ番組だと思っている母。


「いい加減にして!
テレビの番組じゃないし!
ってか 母さん勇さんが何する人が
知ってるわけ?」


「知ってるわよ失礼だわね!
母さんにもこの人にも失礼な言葉よ」


「じゃあ 何してる人よ!
答えてみて」


「ブルーメッツの木山さんでしょ?」


「そうです はじめまして」
勇さんがまたまた挨拶。


「何で知ってんの?」


「お父さんの影響よ
お父さん野球大好きでしょ?
シーズン入ったら
ずっと見せられてるからね
お父さんもびっくりするわ
今日お父さん出張で居ないから
会えなくて残念だわ
ねっ!どーやって出会ったの?」


今度は出会いを説明。


「出会ったとき美結は自分のこと
全く知らなかったんですよ」


「失礼な子ね」


食べながらの会話は
すごく弾んで 最後に母は
「こんな娘ですけど
末長くお願いしますね」って。


母のテンションは上がりっぱなしだった。


「いまだに信じられないわ
うちの子とプロ野球の選手が
お付き合いしてるだなんて」
こればかり連発の母。


「母さん あまり人に言わないでね
勇さんに迷惑をかけるから」


「言わないわよぉ〜」


母を家まで送り
私たちは勇さんのマンションへと向かった。