夕食が運ばれてきた
1人では食べきれないほどの料理。


あれから勇さん
何も言ってこないし
何しにきたんだろ?と思えば思うほど
食事も喉を通さない。


ピンポーン
部屋のベルが鳴った。


うん?また何か
運ばれてきた感じ?
もう十分ですけど。。。


「はい」


ドアを開けるとそこには
勇さんが立っていた。


「え。。。。勇さん?
なんで?」


「なんで?って会いにきた」


私に会わなくても
他の女性といいことしてるでしょ!
なんて言いたいけれど
言ったらお終いになる
勇さんのこと失いたくないから。


部屋へと入ってきた勇さんは
あまり手をつけてない料理を見て
「食べてないじゃん
やせちゃうよ」って
全然普通。


「来ちゃいけなかったのに
来ちゃってごめんね」


「どーいうこと?」


「昼間に言ったんじゃん」


「あっ!あれね
練習なんて見ないで
観光すればいいのにってことだよ
勝手に美結は怒ってただろ」


「怒るよ普通
来ちゃいけない?って聞いたら
うんっていうから 帰ろうかと思ってた」


「言葉足らずでごめん」
そう言って勇さんは私を抱きしめた。


その瞬間私の心は
どーでもいい
勇さんがこうして私だけのために
時間をあけてくれた
会いにホテルまで来てくれた
それだけいいという気持ちになった。


「ゆーさーん
会いたかった」
私も勇さんの腰に手を回し
ギュッと抱きしめ返した。


「充電切れだった」


充電。。。岩崎さんが
私に言った言葉だ。


「あっ!岩崎さんが
あたしに充電器って
頼まれてたっけ?」


「なにそれ?
あ〜 美結に会えなくて
元気が出ない充電切れって言ったから
美結が充電器だと言ったんだろうね」


そーいうことか。。。