勇さんがお風呂から上がってきた時には
もう片付けは終わっていた。


「お先に上がりました
お風呂どーぞ」
勇さんは少し不機嫌で
まるで棒読み。


「あ。。。うんありがと」
着替えを持ち浴室に向かう私。


「あっ!勇さん タオルとかどこ?」


「そこにあるの適当に使えば?」


・・・やっぱり不機嫌
怒らせちゃったかな。。。


「何か・・・怒ってる?」


「別に」


その別にという言葉
きっと怒ってるよね。


「どーでもいいから早く入れば?」


「わかった ありがと」


嫌な雰囲気にしてしまったと
お風呂に浸かりながら
反省してる。


シャンプーをしてる時だった
ガチャっと音がしたかと思うと
背中から涼しい風がスーッと。。。


寒っ。。。
と振り返るとそこに勇さんが現れた。


「え!!!何!!!」


「安心してただろ?
オレが怒ってると思って
まさか入ってこないよね?って」


入ってくるとかそんなこと
全く思ってなかった私は
キョトンとした顔をした。


「そんなこと思ってなかった」


「そーなん?」


「うん怒らせちゃったなって
それだけ」


「フフフ甘いな」


「どーでもいいけど
なんで入ってきてるの?
さっき上がったばかりでしょ?
それに服!濡れちゃうよ」


「背中でも流してあげようかと思って」


「自分でできます!
もぉー!出てってください!」


「そんな遠慮しなくても・・・」


「遠慮してません!
ほんとに出てってよぉ」


「はいはい」
口でははいはいと出て行くような事を
言いながら行動は真反対で
シャンプーを手に取り泡だてて
私の髪の毛をクシャクシャと
洗い始めたのだった。