不機嫌になった私に対して
「ごめん なんか怒らせちゃった?」
と少し心配そうにしていた。


「あたしの出来る範囲で
やってるだけだしそんなにお金なんて
かかってないし それに
人のカードで平気で買い物なんて
出来る性格じゃないんで」


「わかった ごめん」


「カードもらうくらいなら
もう料理作んないから」


「ごめん・・・って・・・」


なんども謝る勇さん
初のお泊まりの日に何だか
怪しい雲行き。


「あたしの方こそごめん
せっかく親切に言ってくれたのに
あたしが屁理屈大魔王だから」


「・・・プッ」


「笑えること言ったかな?」


「屁・理・屈フフフ大魔王って」
笑い続けた挙句
「もぉ〜美結といると
一生喧嘩になんないと思うよ」
なんて。。。


「え?そう?」


「ムカっときても
フッと面白い発言するから
笑えちゃうみたいな」


「え?ムカっとくるようなこと
今まであった?
えっ?知らず知らずの間に
言っちゃってる?
ごめん・・・ね」


「すぐ人目を気にすること!
飯食いに行っても
ここヤバいんじゃない?だとか
色々気を使いすぎ!
オレは別にバレたって平気なんだし」


「バレたらダメでしょ
人気落ちちゃうし
それに・・・」


勇さんの彼女が私だとみんなが知ったら
がっかりさせるよ
【釣り合い取れない】とか
【自分の方がいい女なのに何よ!】
的な感じとか。。。


でもその言葉は言わなかった。


「人気?落ちちゃってもいいよ
オレは美結だけにモテててたら
いいんだから」


「ふふっ」
思わず笑みがこぼれるわたし。


「何?」


「さらりっとキザなこと言うから」


「言ったっけ?」


「美結だけにモテててたらいいとか
なんか・・・どう対処したらいいか
あははあはは」
テレてるのを隠すために
大げさに笑う私。


「いただきまーす!」
勇さんも少しテレたのか
目の前のご飯を食べ始めた。