女子更衣室では いつも以上に
みんな鏡を見てる時間が長い。


白いブラウスに黒のロングスカート
髪の毛は長い人は
一つにまとめなければいけない。


私はジーンズを脱ぎ
ストッキングを履いてると
勢い良すぎて電線をしてしまった。


「わっ!!!ヤバっ
時間ないのに!!!」


「何やらかした?」


「ストッキングの予備もってない?」


「無いよ
あたしもよく破れるから
買い置きしててもすぐなくなっちゃうのよ」


「ちょっとコンビニに行ってくる」


「今から?時間なくない?」


「ダッシュで行ってくる」


脱いだジーンズをまた履き
お財布を持って一階のコンビニへ
猛ダッシュ。


すでに会場入りできる時間
スーツを着た人たちがチラホラと
集まっているようだった。


コンビニでストッキングを購入した私は
また猛ダッシュ。


廊下の角を曲がったところで
1人の男性とぶつかってしまった。


「痛っ!!!」
「痛っ!!!」


スーツを着たこの人も私も
ぶつかった反動で尻餅をついた。


もしかしてパーティに参加する人?
それならなおさらヤバイ
社長に粗相のないようにと
言われたばかり。


「すみませんすみません」
ひたすら謝る私。


セーターにジーンズ姿の私
別にここの従業員だと
わからないと思うけど
謝り続けた。


するとスーツの人は
「ああ 大丈夫だから
そんなに謝らなくても」


「いえ!急いでて
走ってたあたしが悪いんです
おケガとかないですか?」


「けが?こんなことで怪我するような
わやな男じゃないよ」


「そうですか
ほんとうにごめんなさい」


「そんな謝るなって
こっちも急いでたわけだし」


時間のない私は
深々と頭を下げて
その場から立ち去ったのだった。