「今日は作曲家の森永康之さんの
記念パーティなのは知ってると
思うんだが」


森永康之と言えば
若手の曲をたくさん作っていて
出す曲出す曲オリコンランキングに
入っているのだ。


この前大きな賞をもらったばかり
それを記念としてパーティを
このホテルで行うとのこと。


「有名な人がたくさん参加するので
くれぐれもミーハーのように騒いだり
ツイッターやインスタで
情報を流さないように!
そして無理やり連絡先を
聞いたりしないように!
それらがわかったら即クビだから
気を引き締めてやってくれ」


社長の言葉でバイトたちは
ざわつき始めた。


『マジで!!!』
『もちろんアイドルとか来るよね?』
『だよねぇ 作ってもらってる人とか』



そして真由子も、
「あたし ジャラーズのファンなんだ
森永康之ってジャラーズの曲とも
作ってるよね?
シン居るかな?居たらあたし
シンの使ったナフキンとか
こっそりもって帰っちゃう!
食べ残しも・・・」
と テンション上がりっぱなし。


「こら!社長が今言ったばかりでしょ
クビになっちゃうよ」


「こっそり こっそりよ
でもゲットできるなら
クビなんて怖くないよ」


「もぉーーー」


「なーんてね!安心して
ジャラーズは来ないと思うから
ライブツアー真っ最中だからね
たしか札幌ドームのはず」


「へぇ〜さすが!ファンは違うねぇ
リサーチ済みねぇ」


「来たらラッキー
あまり期待しない」


期待してて来なかったら
それだけショックが大っきいからだと
真由子は言った。