すぐさまうちの父は
「勇吾くん 頭上げて!
そんな改まって言われなくても
もうそのつもりだから」
と 言う。
「いえ ここは
キチンとしておかないと」
「こっちこそ
うちのような娘を貰ってくれて
本当 こんなにありがたいことないよ
こっちが頭下げないとな
なっ!母さん」
「そーよそーよ
本当 勇吾くんの妻が務まるのか
そればかり不安で」
両親があたしの印象を
向こうの両親の前で下げる。
「いえ!自分には
もったいないくらいの子なんで」
と勇さんが言ってくれると
向こうの両親も
「大野さん
うちのような取り扱いの難しい息子を
操れるのは美結さんしか
居ないと思いますよ
よくうちのような息子のお嫁さんに
なってくれると決意してくれたと
思うとありがたいのはこちらです」
と言ってくれる。
「いえいえ」
「こちらこそが・・・」
そんな言葉が飛び交う。
決まったことは
来月入籍だけして
挙式はシーズンが終わってから。
来年に回すとまたキャンプとか始まって
忙しくなるので11月はどうか?と
提案したのは勇さん。
「お前たちに任せるよ」
カレンダーで日取りを決めていると
「あっ!!!この日!
この日にしよう」
勇さんがそう言った。
「11月の出会った日が
ちょうど日曜で大安だから
11月10日に出会った場所で
披露宴をやろう」
勇さんの独断で日取りは決まった。
出会った場所
それは私がアルバイトをしていたホテル
しかしその日が空いてるかどうかは
わからない。
普通は数ヶ月前
早い人は1年前から式場の予約を
するから。
挙式だけは実家の近所の神社で
極々身近な人たちだけで行う。
勇さんの曾祖母が
お年を召しているので
東京までは来れないので
ぜひ曾祖母にも
2人の姿を見て欲しいから
私が提案した。



