そうだ 私合鍵持ったままだ
別れたのだから返さなきゃ。


こっそり郵便ボックスに
入れておけばいいと
勇さんが遠征でいない時を選んで
マンションへを訪ねた。


自分の私物もあるから
それも持って帰ろうと
部屋へと上がった。


私物なんて捨てられちゃってるかも。


偶然が重なるのは何故なんだろうか
早く気持ちを切り替えろ!と
言われてるのか。


鍵をあけ入ると来客がいた。


そう 前にここであった女
勇さんが彼女だと言った人。


「あっ!また会ったね!」
と笑うその女
勝ち誇ったようにも見える余裕の態度。


「週に何回きてるの?」


そんな質問に答えない私
黙って寝室へ。


そこには女物のパジャマが
脱ぎ捨ててあった。


これが現実。。。


素早く自分の私物を取り
玄関へ向かう。


「あれ?帰るの?」


「荷物を取りにきただけだから」


「そうなの?」


訪ねる前には
あれとこれとと思ってたのに
この人と会ったから
頭が真っ白になり
パジャマとお化粧品だけ
紙袋に入れた。


「あっ。。。後の物は
捨てていいからって伝えてください
じゃあ お邪魔しました」


「え?」と驚く女。


「あっ。。。それと
ちょうどよかった
これ返しててください」と
合鍵をテーブルに置いた。