「美奈代ぉ。。。」
私が泣いてすがるのはいつも美奈代。


別れただと実家に電話したら
大変なことになる。


この前も週刊誌のことで
「大丈夫なんでしょーね?」
とまた連絡してきたばかり。


「大丈夫大丈夫」と伝えたから
今は言えない。


落ち着いたら 順を追って
話すしかないが
今じゃない。


それこそ親がマスコミに
ネタを売りそうだし。



「だから言ったでしょ
普通の人の方がいいって」
美奈代はそう言う。


「あたしが男運がないってことよ」


「あんた 相手に言ってないこと
あるでしょ?」


「うん?」


「本命と言う名の女とマンションで
鉢合わせしたとか
記者に声かけられたとか
別れるんだったら
全部言いなよ!言わなかったの?」


「言ってないかな?
最後にぶちまけた時
言ったかも?わかんない
言ったにしても何も変わらない」


「まーねぇ」


「もう!絶対恋愛しない!」


「はいはい 話半分で聞くわ」
と呆れる美奈代。



「あの人なら大丈夫か
本当に美結のことを好きなんだと
思ってたのに違ったか」


「あたしも自惚れていたから
ショックが大きく過ぎて」


「文句言ってやりたいわ!」


「言っても何も変わらないって」


「マスコミに売ってやろうか!
木山選手はこんな人って!」


「やめて それはやめて」


「あんな人はね
一度ガツンとやらないとダメなんだよ」


「でも でもダメだからね」


「わかったってあんたの嫌がることは
しないから」


あたしのことをバカだという
弄ばれて黙ってるから
だけどもっともっといい恋を
探そうねと最後には慰めてくれた。